毎日笑っていますか?
以前から笑うことは体に良いと言われていますが、目に見える数値では分からないのでその効果に
疑問を持つ人もいらっしゃるかと思います。
先日の日経新聞で、笑うことで健康効果が得られるという研究結果が報告されていることを紹介していました。
笑いの効果として痛みの緩和、感染症などに対する免疫力の向上、鬱気分の改善、認知機能の維持などが
報告されたそうです。
それでは具体的に、笑うことはどのように身体へ作用しているのでしょうか。
まずはコルチゾールの低下。これはストレスを受けた時に副腎から分泌されるホルモンで、脈拍や血圧、
血糖値を上げるのですが、笑うことによってこのホルモンが低下することが分かりました。
次に、呼吸に注目です。笑う時には「下腹部に力を入れて息を短く吐く」ことを繰り返しています。
これは腹式呼吸と同じで胸式呼吸よりも呼吸量が最大4倍以上になるため、笑うことを繰り返すと体内に
たまっている大量の二酸化炭素が体外に排出され、たくさんの酸素が体内に入りやすくなります。
すると、肺胞の表面からプロスタグランジンという物質が分泌され、血管を拡張させて血圧を下げるように
働きます。
疫系の観点から見てみます。とある研究で、寄席を見に来たお客さんに免疫細胞であるNK細胞
(ナチュラルキラー細胞)の活性を調べたところ、大笑いをした後のほうがはるかにNK細胞が活性化している
ことがわかりました。また他の研究では、お笑いを見た後にNK細胞の活性化を見てみると全体の平均値は
開演前と比較して35%~45%アップしていました。
薬剤を使ってNK細胞をアップさせようとすると効果が出るまでに3日ほどかかるのに対して、笑いは短時間で
免疫系の機能を向上させる効果があります。
笑っているときは活動時に活発になる交感神経が高まりますが、笑った後はリラックス時に優位になる
副交感神経に切り替わります。副交感神経は心拍数を下げたり、腸の蠕動運動を促進します。
こうしてみると体に良いことだらけで驚きます。ぜひ笑いを毎日の生活に取り入れたいですね。
毎日忙しくて、生活するだけで精いっぱい、笑うことが難しい…としり込みする方も心配いりません。
笑えない人でも体操のつもりで両手を挙げ「ハッハッハッハッハッ」と4回以上声を出して
みましょう。作り笑いでも愛想笑いでも情報は脳の中枢を刺激して、楽しいという感情がわいてくるそうです。
ただし、ストレスを多く自覚しているとその効果は得られないという研究結果もあるそうです。
いわゆる「気持ちの持ちよう」でポジティブな感情を強め、笑いで病気の予防や健康増進をしていく。
気持ちも体調も晴れやかに新年度をスタートさせたいです。